■セミナー内容
第1部:3Dプリンティング技術と業界の発展
第2部:3Dプリンティングによる自動車業界への応用例
第3部:「オンラインセミナー」での質疑応答
ASTM(米国試験材料協会)は、3D造形技術を大きく7つに分類している。
■熱溶解積層法
固体樹脂を溶融して押し出し、積層する方式
<メリット>
1.樹脂材料の選択が豊富(熱可塑性、熱硬化性、ゲル、複合材など)
2.コストが安価
3.大きなサイズも造形可能
<デメリット>
1.造形精度が低い
2.複雑な造形は苦手
■光造形方式
液体状の樹脂をレーザーを照射して硬化させていく方式
<メリット>
1.高精細な造形が可能
2.コストが比較的安い
<デメリット>
1.後処理が手間
2.耐候性が低く、劣化しやすい
3.材料の選択肢が少ない
■粉末焼結積層法
粉末材料にレーザーを照射させて焼結させる方式
<メリット>
1.複雑で高精細な造形が可能、サポート材も不要
2.材料の選択が豊富(高分子、金属、セラミック、樹脂砂)
<デメリット>
1.表面がザラザラしている
2.後処理の工程が複雑
■インクジェット方式
噴射した樹脂を紫外線で固めて積層する方式
<メリット>
1.フルカラー造形が可能
2.精度が高い
<デメリット>
1.コストが高く,設備投資が必要
2.耐候性が低い
■粉末固着方式
石膏粉末をテーブルに敷き、ヘッドから液体接着剤を噴射して造形する方式
<メリット>
1.粉材の選択肢が豊富(金属粉,有機粉,無機粉,セラミック粉等)
2.フルカラー造形が可能
<デメリット>
1.脆く割れやすい
2.精度が比較的低い
■シート積層法
シート状の素材を積層し、レーザー光でカットして造形する方式
<メリット>
1.フルカラー造形が可能
2.コストが比較的安い
<デメリット>
1.材料の選択肢が少ない
2.耐久性が低い
3.複雑な造形は苦手
■金属積層造形
金属粉末や糸状材料を熱で溶かし積層する方法
<メリット>
1.金属を造形できる
2.従来の切削加工に比べ、難しい加工も可能
<デメリット>
1.扱いが難しく、コスト、製造時間、精度に課題を残している
市場規模から見ると、3Dプリンター業界は急速に発展し、細分化された市場になっている。
応用例では、原型製作の浸透率が非常に高く、型や治具での応用は大幅に低下し、最終製品への応用は低下している。短期的に考えると型や治具での応用が浸透することが望ましいが、長期的にみると、最終製品の製造が主流になることが望ましい。
(1)材料の限られた選択肢
おおまかに見ると、使用できる材料はある程度揃っているが、耐候性、難燃性、耐摩耗性、耐低温が求められる材料は稀少である。これはPolymaker社が今後発展していくうえでも重要な問題である。
(2)3Dプリンターの不安定な精度と表面の粗さ
(3)高いコスト
見方を変えれば、3Dプリンターを使った小ロット生産が、より安定して稼働し、設備に定番化できれば、時間やコスト削減に繋がる。
(4)技術者の不足
新技術普及に避けられない問題である。
Polymaker社はCovestro社と提携し、先進的な技術を導入して、以下のフィラメントを発売した。
PolyMax PC:優れた耐熱性、耐衝撃性と破壊靭性
PolyFlex TPU95:優れた弾力性と大きな歪み耐性
PolyMax PC-FR:優れた剛性・硬度・強度を有する難燃性素材
Polymaker PC-ABS:高いシャルピー耐衝撃強度、耐熱温度を有する素材
Polymaker PC-PBT:優れた耐熱性を持ち、氷点下(-30℃)など極端な環境下でも良好な靭性を維持
今後も特殊素材の開発に力を注ぐ。
第1部:3Dプリンティング技術と業界の発展
第2部:3Dプリンティングによる自動車業界への応用例
第3部:「オンラインセミナー」での質疑応答