【コラム】環境に優しい材料―プラスチックのリサイクルと3Dプリンティング

「中国リサイクルプラスチック産業開発報告書2019-2020」によると、2019年の1年間、中国の廃プラスチックの排出量は6,300万トン、そのうち埋立量は2,160万トンで32％を占め、焼却量は1,953万トンで 31％、廃棄量は441万トンで7％、リサイクル量は1,890万トンで廃プラスチック全体のリサイクル率は30％でした。

ボトルウォーター業界の年間売上高は300億人民元に達します。 アジアの成長率は世界で最も速く、その中で中国は最も勢いがあり、年間成長率は20％を維持し続けています。
国の環境保護産業の発展に伴い、ペットボトルのリサイクルは不可欠なプロジェクトとなっています。 2020年1月16日、国家発展改革委員会と生態環境省は「プラスチック汚染の処理をさらに強化するための意見」を発表しました。2022年には、廃プラスチックのリサイクルとエネルギー利用の割合を大幅に増加させることを目指します。

サーキュラーエコノミー業界で、リサイクルされたウォーターバレルバケットを原材料として3Dプリンタ―用フィラメントを製造する新技術が生まれました。

農夫山泉（中国/ミネラルウォーター最大手）を例にとると、このブランドで使用されている19リットルのバレルはポリカーボネートプラスチック（PC）でできています。2020年1月、農夫山泉は関連するリサイクル機関と協力協定を結び、19リットルのバケットを細断、洗浄、再ペレット化し、更に高性能なリサイクルプラスチックに加工しました。

PolymakerはCovestro（ドイツ/化学品メーカー）と協力して、Polymaker™ PC-rと呼ばれるポリカーボネートフィラメントを開発しました。その原材料は、農夫山泉の高純度ポリカーボネートを含む19リットルのバケットから供給されます。 Covestroは、プラスチック廃棄物を原生材料と混合して、ポリカーボネートベースの材料を製造します。その後押し出し加工により製造されたフィラメントはエレクトロニクス、自動車、その他の産業で使用される3Dプリンタ―用フィラメントになります。

今回開発された3Dプリンティング技術は、廃ポリカーボネートのリサイクルのもう一つの革新的な探求です。リサイクルの革新的な技術により、この材料は、耐熱性と靭性に優れています。
3DプリンターメーカーINTAMSYS（中国）は、FUNMAT PRO 410 3Dプリンターを使用してPolymaker™ PC-rをテストしました。このプリンターは、デュアルノズルでノズル温度は最大500℃、プラットフォーム温度は160℃で、チャンバー温度90℃でプリントが可能です。これにより、プリントの反りを防ぎ、より大きく複雑なモデルをプリントしました。

テスト結果によると、Polymaker™ PC-rはプリントしやすく、引張強度、ヤング率、曲げ強度、曲げ弾性率など、標準のポリカーボネートよりも高いパフォーマンス指標で優れた性能を発揮します。
環境保護と持続可能な開発の継続的な探求は、Polymakerの開発の方向性です。リサイクルと再利用はサーキュラーエコノミーの重要な部分です。

Polymakerは、今後もリサイクル業界の関係者との協力を深め、材料のリサイクルと再利用を促進します。