Polymakerは、例年よりブースを拡大し、工業用フィラメントの応用例を展示しました。
■工業用フィラメントの発売
2019年、Polymaker社は工業用フィラメントを5種類を発表しました。
2種類の繊維強化ナイロン「PolyMide™ PA6-CF」、「PolyMide™ PA6-GF」のほか、Covestro社と共同開発したエンジニアリングプラスチック3種類「PolyMax™ PC-FR」、「Polymaker™ PC-ABS」、「Polymaker™ PC-PBT」です。
「PolyMide™ PA6-CF」、「PolyMide™ PA6-GF」は、それぞれ炭素繊維とガラス繊維で強化されたPA6(ナイロン6)で、優れた強度、耐久性、耐熱性があります。炭素繊維には、静電気防止機能もあり、応用できる範囲も幅広くなります。
「PolyMax™ PC-FR」は、Makrolon®シリーズをベースに開発しました。難燃性ポリカーボネート材で、UL94難燃性テストでV0レベルに達しました。これにより、「PolyMax™ PC-FR」は電池ケース、航空宇宙産業などで難燃を要する部品に応用できます。自動車産業や電子産業では既にこの難燃材を応用しています。
「Polymaker™ PC-ABS」は、Bayblend®シリーズをベースに開発しました。耐衝撃性と耐熱性があり、表面加工しやすいという特徴もある為、メッキ処理に適しています。
「Polymaker™ PC-PBT」は、Makrollblend®シリーズをベースに開発しました。炭化水素系化学品との接触や氷点下など極端な環境下でも良好な靭性を維持できます。同時に優れた耐薬品性もある為、燃料類、油類、潤滑剤、洗剤などの接触にも応用できます。
■大型造形の製作事例
Polymaker社はCoin Roboticsと提携し、3Dプリンターで上海市と福建省泉州市に大きな橋を建設したほか、飛行機の窓枠、レーシングカーの車体の金型を造形しました。この応用は付加製造と除去加工を組み合わせた最新技術を用いて、生産時間の削減とコストを大幅に節約しました。大型造形の将来性も明るくなりました。
■自動車製造業での応用事例
工業用フィラメントを発売したことで、Polymaker社の製品は、自動車製造業の「研究開発」「製造」「保守パーツ」までの全サイクルをカバーすることができました。
ベルギーSarolea社製の電動バイク「-N60」を展示しました。 このバイクは「研究開発」「製造」「保守パーツ」までの全サイクルにおいて、3DプリンターとPolymaker社製フィラメントを使っています。バイクのフェンダーの試作には機械的特性に優れた「PolyMax™ PETG」を使用しています。
駆動部分の保護カバーは「PolyMide™ PA6-CF」を使用しています。
排気ダクトは「PolyMide™ PA6-CF」を使用しています。
バッテリーケースは「Polymaker™PC-PBT」を直接最終品として使用しました。
■MakerBot社との連携
3DプリンターメーカーのMakerBot社は講演会にて、「METHOD Materials Development Program」を発表しました。これはMakerBot社の3Dプリンターがどの汎用フィラメントに適しているかという意味で、
Polymakerのフィラメントも、「PolyMax™ PC」と「PolyMax™ PC-FR」が選ばれました。
■総括
今回の「Formnext 2019」について、Polymaker代表の羅小帆博士はこう評価しました。
「Polymakerの革新的で高品質なフィラメントを以って、付加製造業の新たな応用例を提案することができました。また、同じ志を持つ数多くの企業様と提携できたことに、心より感謝申し上げ、今後とも3Dプリンター業界の発展に向かって、益々努力してまいります。」