【コラム】最新の高速造形フィラメントPolySonic PLA の技術を解説!

2023年10月、Polymakerは、最新の高速造形フィラメント「PolySonic™ PLA」を発売しました。
「PolySonic PLA」は、Creality社K1シリーズ、BambuLab、AnkerMakeなどの高速造形3Dプリンターに最適なフィラメントです。

このコラムでは、最新の高速造形フィラメントの技術的な革新性を特記します。

PolySonic PLA フィラメントを開発するにあたり、Polymakerは高速プリントを可能にする3つの重要な要素に着目しました。

①フィラメントの流動性
②材料の成型性(冷却性能)
③3Dプリントパーツの機械的特性

①フィラメントの流動性

Polymakerでは、流動性を高め、分子量を微調整することで、溶融プラスチックの粘度を下げ、最終的にプリント速度を上げることに成功しました。

体積流量が増えると、フィラメントがホットエンド内で過ごす時間が短くなり、ノズルからフィラメントに熱が伝わる時間が短くなります。
これを科学的に測定するために、ECPと呼ばれるカスタムリグを作りました。
送り込まれるフィラメントの正確な長さを測定するための高精度エンコーダーホイールを備えています。
そのすぐ下には、押出し力を正確に測定するために、2つのロードセルにボルケーノ・ホットエンドが取り付けられています。この装置により、ある温度と流量に対する押し出し曲線をグラフにすることができます。これにより、破損するまで押出速度を段階的に上げることで、材料のプリントウィンドウを測定することができます。

このECPのグラフを見ると、通常のPolyLite PLAを230°の温度で押し出すと、押し出し力が指数関数的に上昇する変曲点があります。これは、フィラメントがノズル内で完全に溶融状態に至らず、剪断力がヘメラに対抗し始めたときに起こります。
この結果、押し出し不足、表面品質の低下、レイヤーの弱い接着、そして最終的にはプリントの失敗となります。
この現象は、通常、レイヤーの開始部分、インフィル、オーバーハング、上面の破断などで見られます。

PolySonic PLAの最適化された押出効率のおかげで、通常のPLAよりも40%ものフィラメントのを吐出することができ、自信を持って高速プロファイルを造形し、同じ精度でより多くのパーツをより短時間で製造することができます。

②材料の成型性(冷却性能)

一般的に、プラスチックの粘性が低ければ低いほど、高い加速度で3Dプリントする際に成形が難しくなります。収縮や冷却の問題が起こるためです。

PolySonic PLAは、急速冷却能力に優れています。
最高のメルトインデックスを持つフィラメントを作りたければ、ワックスフィラメントを押し出せばいいのですが、プラスチックがノズルを出た後に何が起こるかで、高速材料の有用性が決まります。押出後に材料が急速に冷却される能力が、高速材料が品質を損なうことなく高速プリントを可能にする理由です。
最適化されたレオロジーを持つPolySonic PLAは、収縮を最小限に抑えながら液体から固体に切り替わることができ、鮮明なエッジ、繊細なディテール、シャークスキン効果のない滑らかな表面を作り出します。
新世代の高速プリント機には補助冷却機能が搭載されているため、PolySonic PLAは急速冷却特性を持つ高速プリントに最適です。

③3Dプリントパーツの機械的特性

おかしなスピードでプリントするのは見た目は映えますが、そのパーツは機能的でしょうか?
もしパーツに強度がないのであれば高速造形の意味はありません。

PolySonic PLAの材料は、適切な層の密着性と、引張強度や耐衝撃性が組み合わされています。

PolyLite PLA(通常のPLA)は、速度を上げると24%機械的特性が低下しますが、PolySonic PLAは、高速でプリントした場合、従来の試験片と比較して機械的特性は6%しか低下しません。
パーツの強度やプリント品質に妥協することなく、マシンの生産性を向上させることができます。

この3つの要素をバランスよく組み合わせることで、高速プリントの可能性を引き出すことができます。
PolySonic PLAは、プリント時間を短縮し、より多くのパーツを生産することで、これまでにないスピードでお客様のアイデアを形にします。

様々なメーカーにOEM供給を行うPolymakerが、満を持して自社ブランドとして提供するPolySonic PLA フィラメント、皆様も是非お試しください。

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